狂犬病予防
登録がお済みのお宅には、どこの地域でも3月はじめごろに
今年度の狂犬病の案内が届いているのではないでしょうか?
まず、最初のチェック項目として毎年、狂犬病の予防注射を受けているのに
書類が届かない方はいらっしゃらないでしょうか?
書類が届かないのは、お引越しをされてワンちゃんの登録住所の
変更をされていないか、もしくは予防注射をうっているのに登録はしていない
(鑑札をもらっていない)かのどちらかだと思います。
該当する方はお住まいの市役所(もしくは区役所)に確認してくださいね。
毎年、注射をうけていらっしゃらない方はこの予防に関しては
法律で決まっているもので、任意の予防ではないので必ず登録の上、
接種してください。特別な理由がある方は、主治医さんに相談していただき
狂犬病の猶予証明書をいただくようにしてもらった方がよいです。
混合ワクチン
こちらの予防に関しては任意の予防なので予防していないから
といって罰せられることはありません。
ただ、自分のワンちゃんが病気にならない、また他のワンちゃんに
伝染させない(病気の流行させない)ために予防していただいた方が良いと思います。
お家からださないからと言われる方もいらっしゃるのですが、
具合が悪くなって病院に行くことや急遽預けなくては
ならないこともあるかもしれません。特に、具合が悪いときは免疫力が
下がっていて感染しやすい状態になります。その状態で病気の子が
集まる病院にいくのですから抵抗力(抗体)は持っていてほしいところです。
ワクチンアレルギーなど、心配ごとがある方は自己判断で予防を
やめるよりは主治医さんとよく相談していただくことをおすすめします。
フィラリア予防
フィラリアは、蚊が媒介し最終的には親虫が心臓に寄生する感染症です。
この予防のポイントは、蚊にさされて入ってきた子虫が1か月発育して
成長した虫になったら駆虫薬が効くようになるということと、
またその成長した虫がさらに1~2か月成長すると駆虫薬が
効かなくなるということです。つまり毎月、しっかり駆虫しないと
感染する可能性があることと、蚊がいなくなってから
1か月後に最後のお薬を飲まなければなりません。
実は、フィラリアの感染症は都会では予防率が高いため昔のように
見る機会がなくなりつつありますが、少し離れるとまだまだ見る感染症です。
罹らないから大丈夫と予防率が下がると、また感染症が増えてしまいますし、
たまたま近くに引越ししてきたワンちゃんが持っているかもしれません。
罹らせない、流行らせないためにも予防意識をぜひ持っていただければと思います。
ノミダニ予防
ノミは、地域に関係なくまだまだ感染してしまう寄生虫です。
ちなみにノミに関しては、冬でも暖かいところで生き残っている
こともありますのでお家に絶対いれたくないというところであれば
冬も予防してもらった方がよいかと思います。
1匹みかけたらその何十倍も隠れている怖い寄生虫です。
ここでのダニはマダニのことを意味しています。
緑の多い場所は注意してもらった方がいいです。
もし、血を吸って大きくなっているのを見つけても、無理に取らずに
病院へ行ってくださいね。無理にとると口が皮膚に残ってしまうことがあります。
まとめ
特にワンちゃんは予防する項目が多く、かかる費用も手間も大変かと思いますが、
獣医さんとしては全部しっかり予防していただきたいのが本音です。
予防率が上がることで防げるようになった病気をたくさん知っていることや、
ワンちゃんたちの寿命や生活の質が向上したことを知っているからです。
なかなか強制することは難しいので、このお話を読んで予防意識が高まればと願っています!
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毎年、コラムに取り上げるものの
意外とえっ?そうなあの?と言われることが多いのが予防のお話です。
わが子を守るというだけではなく、
実は他の子にうつさないように予防するという意味合いもあります。
予防の費用は年間予算に組み込んでいただければと思います