こんにちは
獣医の堀です
いよいよ今週土曜日は第三回ペットのためのお勉強会「やってみよう!はじめてのハミガキ」開催です
わんちゃんねこちゃんの歯の病気・・なかなか奥が深く、全部伝えようと思うと難しいお話になってしまいます。悩みに悩んだ結果、初級編!やっと完成しました。
ということで、今日はお勉強会に参加できない方にも少し歯についてご紹介したいと思います!
まず、みなさんはわんちゃん、ねこちゃんたちの歯について今どのような悩みをお持ちでしょうか?
①ぱっとみきれい
②口臭が気になる
③歯茎が赤い
④歯石が気になる
⑤歯がぐらぐらしている
⑥大人の歯が抜けたことがある
何番に該当しましたか?
今回ご参加していただくご家族の事前アンケートではやはり「歯石」「口臭」が最も気になるポイントとして上がってきました。
では、歯石とはなんでしょう?
簡単にいうと、
口の中の細菌が塊となり、排水溝のようなヌメヌメを作ります。
そこにミネラルが蓄積し、石のようになったものを歯石と呼んでいます
実は!このヌメヌメが歯石になるのにはわずか3日です。
一度歯石を作ってしまうと、麻酔下でこの歯石を除去していかなければならないんです・・・
そのために歯石になる前に、つまり3日以内のサイクルでのハミガキが必要なんですね
しかし!わたしたちが診察のときもっとも気にしているのは「歯石」ではありません。
歯の病気というと人では「虫歯」を思い浮かべると思います
実はわんちゃんネコちゃんで虫歯になることはほとんどありません
動物さんの歯の病気は主に「歯周病」です
この「歯周病」があるかないかが一番のポイントとなってきます
歯は歯肉とあごの骨で支えられていますが、
まず初めにハミガキをしていない口の中の細菌によって歯肉が炎症を起こします。
この細菌と炎症は歯周ポケットまで広がり、最終的には顎の骨を溶かしていくのです
これらの炎症のことを「歯周病」と呼んでいます。
この歯周病を放っておくと
・上顎が溶けて口と鼻の穴がつながる(口鼻腔瘻)
・下顎を溶かして顎の骨が折れる(下顎骨折)
・ばい菌が目の下まで浸潤し、目の下に膿瘍をつくり腫れたり破裂したりする(眼窩下膿瘍)
顔周りの病気だけではありません!
悪い細菌たちが肺炎をおこしたり、血液を巡り、内臓に感染したりします。
歯の病気・・・実はとても怖い感染症なんです。
歯石があるということはその下の歯肉や歯周ポケットに細菌が閉じ込められて悪さをおこしている真っ最中かもしれません。
ハミガキが必要なのは歯石をつくらないことが目的なのではなく、
もっと前の段階の歯周病に気付き、歯石はもちろん「歯周病のない健康な状態を保つこと」なんですね!
お勉強会ではハミガキの体勢や、お口の触り方、歯ブラシがイヤイヤにならないためのたのしい歯磨き習慣のつくりかたなどはじめてのハミガキについて「しゅなおカフェ」さんの看板犬しゅなおくんにお手伝いしてもらいながらご紹介します!
歯の状態チェックやハミガキの悩みなどありましたらお気軽にご相談ください♪